コロナも波がきては緊急事態宣言の繰り返し、ウイズコロナがあたりまえの生活スタイルとなった日常。
テレワーク、ステイホーム、巣ごもりなので家にいる時間は長くなり、住まいに対する要望はいやがおうでも高まります。
住宅展示場で「今の家賃と同じ額で買えますよ!」との甘言に一気にテンション上がっていませんか?
まわりの人を見て「赤信号、みんなで渡れば」的な考えで購入に走っていませんか?
マイホームは生涯最大の買い物。食料品や衣服を買うのとはわけがちがいます。比較的大きな買い物の家電や車とも比べ物になりません。
年収の何倍もするものを多額の借金をして買うということ。投資と同様のリスクがあるので、石橋をたたいて渡るくらいの慎重さは必要。
夢のマイホームが、返済ができないという悪夢に変わらないために、マイホーム購入において“要注意な家計”を取り上げます。
「家計」を「収入」「支出」「貯蓄」の3つ観点からみてみます。
最初に「収入」は高い方が良いですが、支出も多ければ貯蓄は増えませんので家計は決して楽ではありません。一般的な年収500万円前後であれば、お子さんの成長とともに支出が増えていくので、年間の収支(収入―支出)は赤字になりがちです。年収(実質賃金)が下がり続けている今日、ご主人の年収を増やすのは容易ではありません。
収入を増やす近道は、奥さんが働くことです。コロナ禍で非正規雇用が厳しいですが、今日約6割強の世帯が共働きで、年間数十万円の収入でも収支は改善します。
よほどご主人が高収入な家計以外は、共働きで収入を増やすというのが定石です。
2番目の「支出」ですが、毎月食料品、携帯代や光熱費等にいくら使ったかを記すものが家計簿。これをつけている家計は、わたしの相談実績でも2割程度です。家計簿は振り込まれた給料が何に消えていくのか把握するため、家計の見える化のため重要です。
何に・いくら使ったかがわからなければ、それが必要なものなのか、ムダなものなのかわかりませんし、節約のしようがありません。
とはいえ、日々の生活に追われ面倒くさくてつけていないのが家計簿。
スマホで無料家計簿アプリも複数ありますので、SNSの合間に自分でやりすいものを習慣化することをおすすめします。
最後に「貯蓄」ですが、貯蓄はいうまでもなく収入から支出を引いたものです。収入が少なくても支出がより少なければ貯まりますし、収入が多くても支出も多ければ貯まりません。要は収入と支出のバランス。
現在毎月の貯蓄額がゼロか赤字の家計は、マイホーム購入の要注意家計の代表です。
上述した住宅メーカーの「現在の家賃と同じ額で買えますよ!」を真に受けて購入すると、賃貸住宅ではなかった固定資産税、修繕積立金ほかの支出が発生します。
お子さんの進学に伴い支出は増大するので、収支はさらに悪化、貯蓄どころではなく、家計は破綻状態です。
貯蓄が無くても、住宅ローンは全額借りられますが、マイホーム購入後の生活が厳しいのはいうまでもないでしょう。
今まで漠然と使っていたお金を、「Aは続けるかわり、Bはやめる」というメリハリ家計を基本にムダな支出を見直し、毎月少しずつでも貯蓄できる家計にしましょう。
マイホームは人生の夢であり、日本人には根強く“持ち家信仰”があるので、多くの世帯が取得するわけですが、繰り返しますが、年収の何倍もの商品を借金をして約30年という長期間で返すという仕組みはリスクが小さくありません。
一方日頃あまり意識することのない家計を家族全体で見つめ直し、今後の人生設計(ライフプラン)を立てる良いチャンスです。
そんなあなたのマイホーム購入をしっかりサポートいたします。