先月アメリカの固定金利型の住宅ローン金利が6.2%を突破、リーマンショック以来の高水準というニュースがありました。
国内の変動金利が0.4%前後、全期固定金利が1.5%前後なのでかなりの高金利です。
借入金利0.4%と6.2%の返済額を比較すると(借入額4000万円、返済期間30年)、前者は毎月約11.7万円、総返済額4,245万円、後者は毎月約24.4万円、総返済額8,820万円、と返済額は倍以上になります。
ここまで住宅ローンの金利が上がった原因は、40年ぶりの高インフレ(物価上昇)を抑えるために実施されたFRB(米連邦準備理事会、日本の日銀)の政策金利の引き上げ。
住宅ローンの金利は一般的に政策金利に連動するので上昇したわけです。
アメリカの経済は米国株式投資が人気のように好調で、景気が良いとモノの値段が上がりインフレが加速、そのブレーキとして金利引き上げという図式です。
インフレ対策で金利引き上げなら、日本はどうなるのか心配になりますよね。
「以前はたしか〇〇円くらいだったのに」「こんなに量が少なかったっけ」。日本は長らく物価が上がらないデフレが続いていたので、みなさん、モノの値段が上がったことを痛感する日常だと思います。
原因のひとつは円安で、円安は輸出には有利ですが輸入は割高になり、日本は食料品・エネルギーを筆頭に多くのものを輸入に頼っていますのでモノの値段が上がります。
では日本もアメリカ同様、金利が引き上げられるのか??
日本では日銀が大規模金融緩和を掲げ、2016年から長短金利操作(イールドカーブコントロール)という短期金利、長期金利をコントロールする金融政策をとっています。
日銀は昨日この政策の継続を表明しましたが、欧米の中央銀行との金融政策の違いがさらなる円安を招きかねない、と政策の修正を迫られる可能性があるといわれています。
要は、現状は日銀が短期・長期とも金利を抑えているので金利の変動は限られているが、今後政策の変更がおこなわれれば金利が変動する可能性が出てきたということです。
日銀の異例の金融政策ゆえ金利上昇は以前からささやかれていましたが、いざ金利が上がると負担が増えるのは住宅ローンを借りているひとです。
’22年4月の調査でも73.9%の方が選択している変動金利型。固定金利型との金利差が1%前後あり、長い間金利がほとんど動かない凪(なぎ)状態ゆえその人気も理解できます。
物価が上昇する一方賃金の上昇が伴わないなか、住宅ローンの負担が増えるのは家計には大きなダメージです。
住宅ローンを住宅業者から提示されるがままに変動金利型を選ぶのではなく、金利が上がった場合の対策や準備を家計の収支・貯蓄を見据えながらより慎重におこなうことが必要な状況になってきました。